加速する他人と比較
クラスに馴染めないながらも、陸上に打ち込んでいた日々。
一生懸命走るけど、どうも足が重い。
今思えば栄養不足でエネルギーが枯渇していたのが原因だと思う。
けれども、当時の私は「太っているから速く走れないんだ」と思い込んでいた。
同じ部活の先輩や同級生を見ても、みんな足がスラっと細くて華奢に見えた。
そんな人たちをみて「私ももっと細くならなきゃ。細くないと速く走れない。」と
体型へのこだわりが現れ始めた。
「私は人に楽しい会話はできないけど、
細くなって足が速ければ周りに受け入れてもらえそう…」
周囲との性格の違いから劣等感のあった私は、
せめて体型や運動能力だけでも人に勝るものが欲しいと思うようになっていた。
苦痛な給食
細い体型への執着が日に日に増し、毎日体重計に乗っては前日より100gでも増えると落ち込む…
増えた100g分を減らさなきゃと気持ちが焦り、朝ごはんを抜いたりした。
お昼休みは学校の給食
本来は仲良い友達同士で机を隣合わせてワイワイ楽しく食べる時間。
だけど、私にとっては1日の中で一番苦痛な時間だった。
ご飯はアルミパックに入ってて、普段家で食べる量の3倍ほど。
「こんなに食べたら太っちゃうよ…」
心の中でそう思いアルミパックの4分の1くらいの量をゆっくりよく噛んで食べた。
食べる量が少なくてすぐ食べ終えてしまうから、「周りの子と合わせなきゃ」と
小さい小さい一口サイズを口に放り込んでは飲み込む前に溶けてしまうほどよく噛んで食べていた。
毎日大量のご飯を残すのに気が引けてきた時、
近くの席の男の子が毎日2パックくらい食べているのに気付いた。
全然話したことのないクラスメイトだけど、
「私の分のご飯食べてくれない?」と恐る恐る声をかけた。
「いいよ」と快く承諾してくれたその日から毎日その男の子に
パックの4分の3くらい量のご飯を食べてもらっていた。
だんだん周囲から孤立に
普段のクラスでは周りの子とあまり話せないのに、
給食の時間はご飯を渡しに男の子に声をかける…
そんな様子に周囲の子達が違和感をいだき始める。
A子「べいちゃんって男子とは喋るんだね」
B子「ご飯少なくてダイエットしているの?」
C子「ご飯食べないのなんか変だよ」
私「…えっと、あのー」
うまく言い返せなくて黙り込む私。
そんな私を見て周りの子との距離がどんどん遠くなるのを感じた。
小学校からの友人も他のクラスにいたが、
私がクラスで浮いているのを耳にしていたのか、
私が声をかけても無視するようになってしまった。
寂しさは感じていたが、それでもご飯を食べてみんなの仲間に入るという選択肢は
当時の私にはなかった。
とにかく細くなりたい。とにかく瘦せなきゃ。
この思いだけが頭を支配していた。
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